園芸便り

近年山裾の田畑では鳥獣の被害が目立ち始め、丹精こめて育てた作物が収穫直前に被害に遭って栽培を諦めてしまうケースが激増しています。そのためには鳥獣の習性を知り防護対策をしないと問題は解決しません。当園でも一昔ほど前から徐々に鳥獣による被害が目立ち始めて、現在では防護柵やネット無しでは殆んど収穫できなくなりました。費用と手間はかかりますが何とか今は収穫に繋いでいます。当園の対処方法を紹介します。


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鳥獣害対策

毎年ブドウが熟す前になると袋を破って色付き始めた実だけを器用に食べて皮と袋を一面に散らかしている。
ブドウ棚全体を網で囲って対処したがそれでも中に入って食べている。どこから入っているのか不思議である。
支柱と網の隙間も封印しているつもりだが判らない。毎日執念深く網の中に入って一度に10房ほど被害を
受けていた。このままでは今年も収穫無しであろう。堪りかねて棚の下に捕獲器仕掛けた。
翌朝ハクビシンがかかっていた。犯人はこいつか。

大型の捕獲器は奥行き90cmある。その中に一杯になって横たわっている大物だ。近づくと鋭い牙をむいてギャー
と威嚇してくる。夜行動物なのか日照とともに次第に捕獲器の中で衰弱して行った。それから暫く被害が無くなったが4日後再び被害を受けたのでまた捕獲器を設置した。翌朝またハクビシンがかかっていた。
今度のは少し小さめのメスである。

それからはぴたりと被害が無くなった。ハクビシンには可愛そうだが、丹精こめて一年間管理してきた作物を
守って行かなければならない。動物愛護法が有って捕獲は御法度らしいが、そんな悠著な事を言って害獣を
野放しにしていては農家は堪ったものではない。少々の被害なら我慢するが一年間丹精こめて育てた作物を
収穫前に全部横取りされるのは堪え難い。自然と人間との共存は課題が多い。

猪には10年ほど前に園を荒らされた事がある。大きくなったリンゴの実を枝ごと折られて無残になったリンゴの木。
夜行性の獣であるが、昼間から上の竹林でガサガサと筍を掘っている音が聞こえてくる。目の前の山林の中を
巨大な猪が次の竹林へ地響き発てながら移動して行ったのには驚いた。その後猟師が捕獲して被害が無いが、
リンゴの木は未だ回復しない。

厄介なのは知恵のある猿である。こちらは昼間人の居ない時に畑の作物を狙ってくる。園の周囲を猿落し網で
囲っているが網を器用に越えて進入してくる。山林から電線を伝って電柱をスルスルと降りて園の中に飛び降りる
のを目撃した。帰りは猿落とし網の支柱にしがみついて網を外へ倒して逃げて行く。決して網には掴まらない
猿の知恵に感心した。それでも猿落とし網の効果は絶大で設置後被害が激減した。
サルは賢いので捕獲器には容易にはかからない。

猿が好む主要作物には全面ネットを張っている。サルは賢いのでネットを押して作物に手をかけて網の上から
喰らいつく。ネットと作物の間は猿が手を押し当てて伸ばしても届かないよう十分な間隔を持たなければ効果が無い。
網を押して届かないと分かると、両手が入る位の網目を二箇所食い破ってそこから両手を入れて作物を取る
知恵が猿にはある。防鳥網は繊維が弱いのか食い破って進入するので効果が無い。

どこからも入れないよう隙間の無いようにネットを張っていても被害に遭う。網を5cmほどに二箇所食い破って
そこから両手を入れてコーンの実を引きちぎって外に持ち出して食べている。この網は細糸の撚り合わせで
噛切れ難いがそれでも器用に穴を開けて作物を外に持ち出して食べているのには驚いた。
近くに民家が有るので危険な電撃柵は設置できない。暫く猿との知恵比べが続きそうだ。

園の周囲は猿落とし網で囲っている

電柱には有刺鉄線を巻いている

猿落とし網の基部には目隠し

園の周囲の猿落とし網の基部70cmは防草シートで目隠しを施すと、地際から網を破って進入することが無くなった。
猿は一定の範囲を移動しているようで、暫く居なくなったと思ったらまた現れる。猿が来たと分るのは山林の中で
ホゥーホゥーとフクロウの様な鳴き声を発している。人を見るとギャーと威嚇声を上げるが暫くすると居なくなる。
そして一山越えた所では鹿の食害が深刻になり始めた。こちらへやって来るのも時間の問題であろう。

園の周囲は鳥獣の隠れ場林

トマト畝の網囲い

スイカ畝の網囲い